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「新テニ」理想のペア、Exciting situation

第5章 湫袋駅行き電車内での誘惑



 「ということは、残るはここから一番戻ったところの車両か」
 と、丸井の言う車両は一両目のことです。


 理想のペアは電車の中で揺られながら、まずは五両目から四両目に移動しました。


 二人が四両目に来たとき、先ほどの坊主頭の男子高生が座席から立ち上がり、再びチョコのキャンディーを差し出そうとしてきます。そこを木手が無言でゴーヤーを差し出したことで、彼はチョコキャンディーを引っ込め、座席に座り直していました。


 四両目から三両目に移動時、丸井はまた押しくら饅頭状態、木手は上手く人の間を通り抜けていたのでした。


 三両目に移動後も丸井は走ったあとのように息があがっていました。木手の方は余裕です。


 このとき、電車が東京駅で停まります。ちょうど座席が空いたため、丸井がちょっと休憩したいと木手に言ってから座りました。木手も隣に座ります。


 「四両目、混みすぎだろい」


 「あれだけの混雑では疲労困憊になるのも無理がないのでは?」


 「キテレツはよく大丈夫だろい」
 目を細めて言った丸井です。


 「あなたにはそう見えているだけです」


 「・・・・・・」
 木手も多少は疲れていたのかと少年の横顔を見たあと、丸井は前を見て下を向いていました。
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