「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第5章 湫袋駅行き電車内での誘惑
「今日は腕を結構使うよな。うん、鍛えられるな」
「前向きで羨ましいですね、アナタ・・・・・・」
「Hey, aren't the cars here noisy?(なあ、ここの車両うるさくないか?)」
濡烏に言われ、理想のペアは耳を澄ませます。
すると、男の子の声が聞こえました。
「The train is early, early!(電車、早い早い!)」
「今、英語で言ってるのが聞こえたよな」
「まさか・・・・・・」
丸井と木手はつり革の手を離し、男の子の姿を探します。電車は走行中のため、揺れで時々ふらっとなりながらも、理想のペアは何とか男の子の姿を見つけることが出来ました。
「やはり、金座駅でお菓子を売っていた外国人の子どもですよね」
「どうして、ここにいるんだ・・・・・・」
理想のペアが驚きで目を見張っていると、近くから男性の声がします。
「Oh, you guys.(あれ、お前ら)」
茶髪の外国人男性、カークでした。
「カーク!?」
丸井はぎょっと彼の方へ顔を向けました。
「・・・・・・」
木手は両腕を組んでカークに視線を送ります。