「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第4章 地下鉄より地下の秘密のテニスコートへ
「その様子じゃあ、やっぱそうか」
丸井がにやーっと笑うと、睨んでいた木手でした。
木手をまたイラつかせてしまったのではないかと、丸井は再び緊張した表情になります。
数秒の沈黙後、理想のペアはお互い何をそんなにイラついていたのかと、だんだんおかしくなってきたようです。微笑し合っていました。
「これ以上、あの二人にポイントは取らせねえ」
「あなたがイラ立つことなく、プレーに集中出来ればの話ですがねぇ」
「お前こそ、イラつくなよぃ」
肘で木手の腕をつついた丸井は穏やかに笑いながらコートの定位置に戻り、ラケットをかまえます。
木手も丸井の後ろでラケットをかまえ、カークのサーブを待ちました。
カークがサーブをしてから、木手が速攻で打ち返します。木手の球をブレイトンが打ち返したあと、彼の球を再び木手が縮地法を使って打ち返しました。次にカークが打ち返し、丸井が彼の球を返します。その後、ブレイトンがロブを使ったタイミングで丸井が得意技を発動させたのです。
「妙技、時間差地獄!」
「What!(何だと!?)」
カークは丸井の球を拾えず、ブレイトンも拾うことが出来ませんでした。理想のペアにポイントが決まります。