「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第4章 地下鉄より地下の秘密のテニスコートへ
「Especially?(別に?)」
と、うつむきながら丸井は返事をします。少年はそのまましゃがみ、靴紐を縛り直していました。
「Are you jealous of Brayton?(お前、ブレイトンに妬いてるだろう?)」
カークにずばりそう聞かれた丸井はビクッとなりますが、
「What do you mean?(何のこと?)」
冷静さを保ち、風船ガムを膨らませていました。
丸井がカークから離れると、木手が目の前にいたようです。
「・・・・・・」
丸井は緊張した表情のまま、木手と向かい合っていました。
「・・・・・・」
木手の方はメガネを片手で直し、丸井を見下ろしています。
「なあ」
「何ですか?」
「お前、何をそんなにイラついているんだ? さっきのカークとのこと?」
「あなたこそ、プレーに集中出来ていないことがありますよぉ。今回のゲームが始まる前から時々、イラ立っているようにも見えましたが」
「え・・・・・・」
「図星ですね?」
「はぁ、お前だって、このゲーム始まる前からイラ立っていただだろい」
丸井も言い返すと、当たりだったようです。木手は動揺していました。