「新テニ」理想のペア、Exciting situation
第4章 地下鉄より地下の秘密のテニスコートへ
駅員F「カーク・ブレイトン、荷台の中にボール四個~!」
「ha-ha-ha.(ハッハッハ)」
カークが勝ち誇ったような顔で丸井の隣にぴったり来て、
「I'll catch up with you soon.(もうちょっとで追いつくね)」
ブレイトンの方は木手に肩を回して来ました。
丸井と木手は表情を表に出していませんでしたが、イラッとなっていました。ちなみに、カークとブレイトンの発言にイラッとなっていたわけではありませんでした。
次に木手のサーブの番が回ってきます。木手がサーブを打つと、思ったよりも強い力が入ってしまったようです。ロブみたいに相手側コートへ飛んで行ってしまいました。
何と、木手の球をカークが拾い、高いジャンプ力で返して来たのです。
「通さないぜ。ワンダーキャッスル!」
と、両手を横に広げた丸井は、カークの球を打ち返します。
けれども、カークに再び返され、身動きが取れなくなった丸井は、
「失敗か……」
ともつぶやいていました。
「しぶといですね」
木手がカークの球を打ち返してくれます。
「ナイス!」
丸井が声掛けしますが、
「今は話し掛けないでもらえませんか」
と、木手にいつもより低い声で言われてしまいました。