第8章 両脇に
食事を終え、私が食器を洗っていると
キ「ありがとう、何か手伝うよ。」
とキヨが顔を覗かせる。
『大丈夫、後は乾燥機に掛けるだけだから。』
キ「…」
突然背後から抱きしめられた。
『ふぇっ!何?!』
キ「クレハちゃんがいつも桜に抱きついてるから何でかなぁって思ったけど、理由が分かったわ。」
私は、訳が分からず困惑していると
ク「あー!キヨ君ダメ!桜ちゃんに抱きついて良いのクレハだけなんだよ!」
と言いながらキヨから桜を剥がし抱きつく。
キ「はぁ?何でお前は良くて俺はダメなんだよ!俺も桜に抱きつきたい!」
そう言いながらクレハから、桜を奪い返す。
ク「ダメ!」
キ「ヤダ!」
桜の両腕を双方が抱きつき
『…何だこれ…』
間に挟まれている桜は、既に考えるのを止めていた。
すると買い物から帰ってきたヨシヤが、騒ぎを聞き付けてキッチンに来た。