第6章 先手必勝
『その代わり…』
私はせっせと写真を撮る準備をする。
キ「納得いかねぇ。」
準備をしている私に向かって不貞腐れながらキヨ君が言う。
『何で?一緒には撮るけど変装しちゃダメとは言われてないよ?』
私は、家にあった猫のお面を手に持ち顔に当てる。
キ「…確かに。まぁいいか。」
私の隣にストンと座りスマホを取り出す。
…何か近い…
キ「んじゃ撮るよ~」
カメラの方を向き、撮られるのを待っていると
グイッ
『えっ』
カシャカシャ。
キ「…いいね。ちゃんと撮れてる。ありがとう桜ちゃん。」
そう言って私から離れるキヨ君。
何が起きたの…。
私は、状態が飲み込めず呆然としていると、
キ「アハハw凄い顔してるよ桜ちゃんwそれとも。」
キヨ君が私の傍に来て頬に触れ
キ「もう1回されたいの…?」
『っ!』
私の顔に一気に熱が集まる。
だって…だって!頬っぺにキスされたんだよ!
『っ!何でっ!』
キ「だって、桜ちゃん隠しちゃったし、それに何もしないなんて言ってないよ?まぁ海外じゃ挨拶でするんだし良いじゃん!」
確かに仕事で何度か有ったけど…ってここ日本だし!