第5章 無題
『んで、クソ野郎は、どうしたの…。』
「…ワシが動いて、逃げられると思う?ちゃんと捕まえてそれなりの事はしてから、警察に突き出したから、二度と現れないよん。」
その言葉に私は安心した。
「んで、孫ちゃん。人間嫌いの君がこれからする事は?」
『は?決まってんじゃん。私の人生かけてクレハ守り通すよ。どんな手使ってでも。』
「…良いね。流石ワシの孫ちゃん。それじゃ…」
私は、それっからおじぃの仕事を手伝い、クレハの生活のサポートもして今日迄至る。
だけどそれも、また脅かされそうになった訳だ。
刑務所から出てきた奴が、どうやってかクレハの事を調べだし、部屋に盗聴器を仕掛け襲うつもりだったらしい。
リベンジを果たすと身勝手な理由を付けて。
だから、私の手元に置き守る事にした。
『って訳。』
ヨ「…マジで何も知らんかった…」
『…あんたは何も知らなくて良かったのよ。私が決めた事だし。』
ヨ「でもっ!」
キ「あのさ。話は分かったけど、それ俺達が聞いちゃって良かったの…?俺ら初対面なのに。」
『…そうだね。でも、ここに出入りするなら、ちゃんと知っといてもらった方が揉めないでしょ?この間みたいに』
と私が曇った目で喜夜とキヨを見ると
「「うっ!」」
『それに今日居合わせちゃったんだから、しょうがないじゃん。クレハも味方が多い方が安心するだろうし。』
私の腕を掴みながら伏せていたクレハが顔を上げ、3人を見て
ク「私の味方になってくれますか…?」
ズキューン!
レ「ぐはっ!」
キ「あんな顔で言われたらたまんねぇな。」
ヨ「しかもあれ天然物だぜ?タチ悪いよな。」
『…クレハそれ反則な。』
ク「ふぇっ?私何かしちゃったっ?!」
ワタワタとしているクレハにぽんぽんと頭を撫でて
『クレハは、そのままで良いよ。私が居るから。』
ク「えへへ、桜ちゃん大好き!」
レ「何あれ、超眼福なんですが。」
キ「桜ちゃんも可愛いからなぁ。メッチャ絵になるなぁ。」
2人の様子を惚けて見ているレトルトとキヨ。