第5章 無題
クレハは、日頃から虐待を受けていた。
虐待をしていたのは、再婚相手の継父だった。
クレハの両親は、幼い頃離婚しており母方に引き取られ、小学校の頃に再婚をしたらしい。
その頃から、母親が居ない時に虐待を受けていた。
そしてあの日事件が起きた。
殴られ、レイプ紛いの事をされ、必死に逃げた所を私が見つけた、と言う流れだった。
レイプ紛いって何だよ…あの血は明らかにっ!
私がふるふると怒りに震えていると
「…こんな事言っちゃうとあれだけど、クレハちゃん乙女だったよ。」
その言葉に私は察して涙が出た。
「暴力の挙句レイプしようとして失敗したんだろうね。でもクレハちゃんの大事な所は乱暴されちゃったから出血が出て走ったりしたから足元まで流れちゃったんだろうねぇ。」
『っぐずっ!そっかっ、女の子の尊厳は守られてたんだねっ。良かった。』
私は声にならない声で泣き続けた。
「教えてあげられなくてごめんねぇ。幼い孫ちゃんに教えるには酷過ぎる話だったから。でも大丈夫よん。信頼出来る人に、親代わりをお願いしたからさ。
『そう言いえば、母親はどうしたの?』
「…亡くなってたよ。駆けつけた時には遅かった。」
『…』
きっと母親も暴力を受けて居たんだろう。その末に…