第5章 無題
時が流れ、私達は変わらない日々を過ごしていた。
高校に上がってある日の事、典型的な呼び出しがクレハにあった。
私は急いで現場に向かうと案の定数人に囲まれており、クレハも困った様子だった。
「本当いい加減ウザイんだけど。人の男に色目使って、自分が特別だと思ってるの!」
「なっ!違う!」
私が近づくと
「私知ってる、こいつ親にレイプされたんでしょw」
その言葉に、私の中にあった記憶が駆け巡った。
あぁ、そっかあの血は…
気がついた時には、私はクレハを囲っていた女子達を殴っていた。
騒ぎを聞き付けた、教師達が止めに入る。
色々聞かれたりしたが、私は言葉が入ってこず、取り敢えず帰され、その足でおじぃの元に向かう。
『おじぃ、教えて。クレハがあの日あった事。』
いの一番にそう言われたおじぃがポカンとしたが、真剣な顔で
「孫ちゃん覚悟ある?1人の人間の人生を背負うんだよん?」
『そんなのクレハと出会ってから覚悟を決めてたわ。』
私の真剣な眼差しに、おじぃも話してくれた。