第4章 唯一の
クレハから、鍵を預かりマンションの前に着くと私が手配しておいた業者が待っていた。
『いい。100%クレハの部屋には盗聴器等がある。探して犯人を捕まえなさい。』
私が声を掛けると、引越し業者に扮した専門スタッフがそれぞれ鞄を持ち、マンションに入る。
ク「桜ちゃん、本当に盗聴器何かあるの…?」
キュッと私の服の袖を掴み不安そうにこちらを見つめる。
『大丈夫、私が守ってあげるから。』
そう言い頭を撫でるとふにゃっとクレハが笑う。
部屋の前に着き、鍵を開け中に入る。
相手に悟られないように、作業に掛かると、案の定盗聴器がボロボロ出てくる。
その事にクレハは、ショックを受け、女性スタッフも同席していたので任せ、私は盗聴器を回収し、クレハの部屋の荷物を運び出す。