第25章 体温
コンコンとノックの音が聞こえ目を覚ます。
『キヨ起きれる?』
キ「んー薬が効いて来てるみたいだから、さっきよりマシ。」
『ご飯食べれそう?』
キ「食べる。」
『分かった、持ってくるから待ってて。』
桜は、台所からお盆に乗せたお粥とすりおろしたリンゴを運んできた。
『どれぐらい食べれるか分からないから、リンゴも用意してみたの。食べれそうなら食べて。』
キ「ありがとう、頂きます。」
スプーンを持とうと取るが上手く力が入らない。
『持ちづらい?じゃあ。』
そう言い器とスプーンを取り
『はい、あーん?』
キ「ちょっ!自分で食べるよ!」
『でも、力入れづらいんでしょ?嫌じゃなかったら食べさせてあげる。』
キ「…あーん。…桜のご飯本当美味いな…。」
『良かった。はい。』
ゆっくりとキヨにお粥を食べさせる。
食べ終わる頃には、手に力も入りリンゴも完食した。