第22章 家族
喜夜に呼ばれた桜が家に戻ると、クレハもリビングに呼ばれていてソファーに腰掛ける。
ヨ「んで、急に帰国までする程の野暮用って何があったの。」
り「うん。3人にちと、お願いしたいことがあってね。」
そう言いスマホを取りだし何処かへ、連絡をしているようだった。
り「わしの知り合いで孤児院をやってた人がいたんだけど、不慮の事故で亡くなってしまってね。そこにいた孤児の子達は、他の孤児院にすぐ移転出来たんだけど…。」
ク「だけど?」
り「2人だけどうしても他に受け入れて貰えなくてね。」
ヨ「は?何で?」
り「んー、取り敢えず3人とも会ってもらっていいかな?」
そう言い龍玄が入りなさいと声を掛けると、リビングのドアが開き、龍玄の付き人が2人の子供を連れてきた。
り「兄の名は秋兎(あきと)。妹の名は陽夏(ひなつ)。」
妹を庇うように寄り添う兄は、見える範囲は傷だらけでこちらを終始威嚇している。
妹の方は左脚に火傷のような痕があるが、それ以外の外傷は、見られなかった。