第2章 任務
「問題は被害が、ここの村だけじゃない、ってところね。どこの誰が狙われるかわからないわ。」
「そりゃあ鬼だって教えてくれるわけねぇしな。とりあえず二、三日は様子見かぁ」
「そうね。日が暮れたら二手に分かれてこの村と隣りの村を見回りましょう。」
「なんかあれば呼べよ。」
「あら、心配してくれるの?ずいぶん優しいのね。」
「てめぇ、、、」
「ごめん、ごめん。怒らないでよ。何かあったらちゃんと鴉飛ばすから。」
二人は木の枝に止まっている、自分の鎹烏を見上げた。
「そろそろ日が暮れるぞォ」
「そうね。とりあえず先に隣り村に行って来るわ。一刻後でいい?」
そろそろ時間で言うと午後の5時過ぎ。ちょうど夕焼けが顔を仕舞い、空だけが赤い。
「あぁ。じゃあな。」
「また後でね。」
二人は別々の方向に走り出した。