第9章 風が吹く
実弥は手拭いで軽く二人の体を拭くと、布団を敷いた。楓を抱き込んで布団に横になる。
実「、、楓ェ」
楓「、、、なぁに?」
実「、、お前は俺が守るからよぅ、鬼殺隊、辞めてくれねぇか」
実弥はずっと考えていた。好きな人が、危険なところに行くのは、もう耐えられそうになかった。大事な人をこれ以上失いたくない。
楓も、実弥の考えがわかったのか、実弥を責めなかった。楓だって守りたいものがあって、鬼殺隊に入った。でも、もういいのかもしれない。
楓「、、、いいよ、鬼殺隊辞めても」
実「本当かっ!?」
楓「でも、約束して。絶対帰って来るって。」
楓は右手の小指を差し出した。
実「、、あぁ、約束する」
実弥も右手の小指を出し、絡めた。