第8章 素直になれたら
楓「知ってるよ。カナエさんが好きなんでしょ?」
実「、、、、、」
楓のその言葉に、実弥は言葉を返せない。
楓「さっきの言葉の続きは、カナエさんに言ってあげて。実弥くんは優しいから、私のこと思って言ってくれようとしたんでしょ?わかってるから。伊達に長く一緒にいるわけじゃないよ。聞かなかった事にする。だから、、、」
楓が実弥から距離を取ろうと胸元を押した。
実「何もわかってねぇじゃねぇか」
実弥は再び楓を抱き締める。
楓「実弥くん。本当にやめて。」
実「、、、好きだ」
実弥の腕の中で暴れていた楓は、その言葉に大人しくなる。
実「あいつのこと、気になってた時期もあった。それは認める。でも今好きなのはお前なんだよ、、、側に居てくれないか?」
楓は小刻みに肩を震わせている。
楓「、、、本当?嘘じゃない?」
実「嘘じゃねぇよ。俺が嘘なんか言わねぇの、お前だったら知ってんだろ?」
楓「そうだよね。実弥くんは口は悪くても、嘘は言わない。」
楓は実弥を見上げた。
楓「実弥くん、好きだよ。大好き。」
楓も実弥の背中に手を回す。
楓「やっと言えた。」
楓は可愛らしく頬を染めて笑った。