第8章 素直になれたら
二人は甘味処で向かい合って座っていた。
楓「行きたいところってここ?」
実弥は黙っている。中々男一人じゃ甘味処に入れないから連れて来たのだろうか。
実「、、、前の礼だ。奢ってやる。」
実弥が粂野が死んで荒れていた時、楓は来てくれた。結局、1週間程滞在し、怪我の処置や食事の世話もしてくれていた。言葉では言わないし、言えないが、実弥は感謝していた。礼をしたいが、贈り物も何がいいかわからず、結局、こうなった。
楓「奢ってくれるの?ならたくさん食べちゃお。すみませーん。」
楓も楓で実弥のしたい事、言いたい事がわかったのだろう。それ以上何も言うことなく、注文し始めた。