第8章 素直になれたら
楓「あっ、実弥くん。久しぶり。」
お館様のお屋敷で、楓は久しぶりに実弥を見つけた。
実「、、、よぉ。」
実弥はバツが悪いのか、ふいっ、と横を向いた。
楓「柱になったんだってね。おめでとう。」
実弥は匡近の死の後、風柱になっていた。
楓「お館様にずいぶん言っちゃったらしいじゃん。ダメだよ。」
実弥のお館様への暴言は、鬼殺隊の中で噂になっていた。
実「、、、お前この後時間あるか?」
楓「報告も終わったし、この後は特に用事もないよ。何?逢引のお誘い?」
楓がコロコロと笑う。実弥が逢引の誘いなどしない事はわかっている。楓の冗談だ。
実「時間あるなら付き合え。行きたいとこがあんだよ。」
楓「何?本当に逢引のお誘い?」
実「うるせぇ、黙って付いて来い。」
実弥が歩き出し、楓もその後を追うように歩き出した。