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大人になれないわたしたち《ハイキュー!!》

第5章  勉 強 会 と 夏 空



こってりしぼられた灰羽は、2時間後には名前の通り灰のように燃え尽きていた。


『ちょっと小腹空いたなぁ』


「コンビニでも行きますか?」


「俺も、俺も行きたいで...」


「リエーフはこれ終わってからな〜」


回答欄がひとつも埋まっていない英語のプリントを目の前でヒラつかせる黒尾さん。孤爪は休憩と称したゲームを始めている。俺もついて行きますと立ち上がれば、鋭く飛ぶ灰羽の視線。まだ何もしないってば。


それぞれから食べたいものを聞き取り、下へ降りると、ちょうど柏木さんのお母さんも出掛ける支度をしていた。


『あれ、お母さん今日夜勤だっけ』


「休みだったんだけど、1人休みになったみたいで」


『お父さんは?』


「職場の飲み会、斉藤さんのお店だから、
 そのまま朝まで帰ってこないんじゃないかな」


『げぇ、まじ...』


あいつら泊まるって言いそう、なんて顰め面をする柏木さんに、お母さんは冷蔵庫パンパンだから好きなの使ってね、お布団なら客間にあるでしょ、とウィンク。そして、お父さんには黙っておくからねと言い残して去っていった。


なんだか、嵐みたいな人。


『今日いるって聞いてたから呼んだのに...
 親いたらさすがにみんな帰ると思って...』


「読みが外れちゃいましたね」


とりあえず行きましょうかと外に出れば、熱気が体を包み込む。駅と反対方向、5分程歩けば見慣れた青いコンビニ。コンビニスイーツをしこたま買い込む柏木さんは、実はお母さんにペイペイでお小遣いもらったと嬉しそう。


ついでに大きなジュースなんかも買えば、袋は2つ。当たり前のようにその両方を抱える柏木さんに、俺が隣歩けないのでひとつ下さいと頼む。軽い方を渡してきたが、問答無用で重たい方を半ば強引にとる。


『いや、ついね、荷物持ちがちなのよね』


「クセ、って抜けないですよね」


『京治もそうだもんね、主に木兎のせいで』


けらけらと軽く笑う柏木さんは、何かに気付いたようにあっと叫ぶと駆け出した。少しだけ涼しさをくれる風が吹いて、咄嗟に目をつむって、名前を呼ばれる。


 
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