第4章 初 体 験(♡♡)
頭を洗い、背中はわたしがやるから、体の前面は自分で洗ってねと大きな手のひらにボディソープを垂らす。
「悠里が洗ってくれるんじゃないの?」
『それはまだちょっとハードル高いっていうか』
「いつかちゃんとお風呂一緒に入ろうね!」
『それはもっと難しいっていうか』
しょーもない話をしていれば、だんだんと口数が増えていくリエーフ。ヘアパックしていたコンディショナーを流してあげて、シャワーを手渡して自分で泡を流してもらう。
背中、おっきいなぁ。筋肉の付き方すごい綺麗だし、腰なんかは男の子にしてはきゅってしてるんだよな、脚のラインもすごいいいな。てかなんか、自分の家で彼氏がシャワーしてるの、すごい不思議な気分になる。
「悠里?」
『んっ、あ、ごめん、終わったかな、
バスタオルとってくるから待ってね』
浴室の外に用意してあるバスタオルをとって、わしゃわしゃと髪の水分をとる。頭、肩、背中、腰。前は自分でやってねと渡すと、なんでですかとにやり顔。さては調子に乗り出したな。
手を貸して立ち上がってもらって、わたしの目にはちょっと刺激が強いからと、腰にバスタオルを巻いてもらった。あとで見るのにとか言うから、思わず背中を引っ叩いたりして。
転ばないように気を付けて服を着るように伝えて、わたしも急いでシャワーするからリビングで待っててと伝えると、やっぱり寂しそうな顔をするから。自分史上初めてレベルの爆速シャワー、記録は5分だった。
『じゃあ、右の足首見せてね』
すっかりパジャマ代わりにしている高校の部活ジャージに着替えてから、リエーフの足の具合を見る。右足の、外側に熱感がある。足の裏を内側に向けようとすると痛みが強いようで、表情が険しくなる。
ちょっと待っててと、冷凍庫から氷を取り出し、ビニル袋に入れて袋を二重にし、簡易氷のうの完成。患部にハンカチを当てた上に氷を乗せ、固定用の伸びる包帯でぐるぐる巻きにすれば、応急処置完成だ。
『これで悪化するの防げるからね』
「なんか、すごい、悠里マネージャーみたい」
これでもマネージャーだったんですけど、とおどけて笑えば、つられてリエーフも笑ってくれた。