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大人になれないわたしたち《ハイキュー!!》

第3章  春 風 と 合 宿(♡)



その後、呼び出された黒尾たちが戻ってきて、みんなでトランプでもしようかという話が出たが、時間も遅いのでお開きになった。音駒の部屋とマネの部屋が同じ方向だったので、そのままリエーフに送ってもらうことに。


その途中、こっそりと空き教室に寄り道。


「悠里、もっかいちゅーして!」


今度はこっちに、と唇を指差す。真っ暗な教室、窓から差し込む月明かりに照らされるリエーフの顔は、柔らかな色気をまとっている。ハーフってだけでこれだ、ずるいやつ。


すぐ脇にあった椅子に座ってもらうと、高さがちょうど良くなった。少し前かがみになって、ちゅ、と唇を寄せる。離れれば、ぐんと腰を寄せられ、視線で足りないと訴える、飢えた獅子。


『もう…』


もう一度唇を重ねれば、待ってましたとばかりに腰にあった手を上にスライドさせて後頭部をホールド。物理的に離れられなくされる。


おもむろに舌が入り込み、開けてと言わんばかりに閉じた歯列をなぞる。酸欠で、くらくらして、息を吸いたくて、口を開けば。あっという間に蹂躙されて。


『ぁ、っん、りぇ……』


「すき……っ、ふ、すきだよ」


舌を絡ませて、唇を食みながら、愛を囁いて。甘ったるくて、触れた唇からとろけてしまいそうな。


もっとしたいのに、優しくしたいのに。そんな矛盾した声が聞こえてくる、激しいのに柔らかいキス。今度こそ離れれば、互いの唇はどちらのとも分からない唾液でしっとりと濡れていた。


よいしょ、とリエーフが手を引いて、右足の上にわたしを跨らせるようにして載せる。それから、その大きな手で、わたしの両手をぎゅっと握る。


「心配なんです、悠里は可愛くて、
 余裕もあって、可愛いし、みんな見てるし」


『可愛いって2回言ったよ』


「もうっ、マジメに!」


この間も言いましたけど本当にライバル多いんですからね、と頬を膨らませるリエーフは、先程と打って変わって年相応。というか、もうちょっと幼くすら見える。


『はいはい、気を付けますよ、
 それにわたしが好きなのは誰がなんと言おうと、
 世界がひっくり返ろうとリエーフだけだよ』


 
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