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大人になれないわたしたち《ハイキュー!!》

第3章  春 風 と 合 宿(♡)



俺は悠里も好きなフラッペのバニラ味にキャラメルソースをかけたやつ、芝山はアイスラテ、1年生もフラッペとかティーラテとか好きなのを頼んでいた。


出来上がった商品を渡す時、あと10分で上がるから待っててねと言われ、みんなで店内で飲むことに。そうしてだべっているうちに、緑のエプロンを脱いだ悠里が駆け寄ってきた。


『みんなお疲れ!』


わたしも社割で買っちゃった、とその手にはコーヒー。そういえば、フラッペは甘いの、コーヒーは苦いのが好きなんだっけと思い出す。


『今日は孤爪たち来なかったんだね』


「なんか進路オリエンテーション?らしくて」


『そっかぁ、そういえばこの時期かぁ』


懐かしいねって言ったらおばさんくさいかな、と苦笑いするから、そんな事ないですと俺と芝山で全否定。あ、と悠里は1年生の存在に気が付き、初めましてだねと微笑む。


『3月で卒業しちゃったんだけど、
 音駒のバレー部でマネージャーやってました』


柏木悠里です、と会釈。1年生ふたりもそれぞれ自己紹介と、ポジションを教えている。芝山との会話が弾む悠里のことを、ビジンダネ、カワイイネ、とコソコソ話をするふたりの頬が少し赤いのは、照れなのか、興奮なのか。なんかもやもやする。


「悠里センパイは俺の彼女でもあります!」


「「おぉ……!」」


『待ってばらすの早くない!?』


こういうのは早い方がいいんですよ、と胸を張ると、悠里は頭を抱える。そういうことだから、この先輩面倒くさいけどよろしくね、と諦めて後輩たちに言うから、面倒くさいってなんですかと突っ込んだ。


そろそろ帰ろうかと店を出て、みんなで駅へと向かう。そよそよと、だいぶ暖かくなってきた夜風が心地よい。


『そうだ、わたしたちは3,4,5日目に行くから』


最初の2日間は自分たちで頑張ってね、と悠里はガッツポーズ。元気なお返事の1年生に、芝山と俺は笑った。


今日はクロさんも研磨さんもいないので、俺が悠里の最寄りまで送ることにした。ホームでの別れ際、階段下に手を引いて、触れるだけのキスをする。


また合宿でね、とはにかんだ悠里の背中に、俺は見えなくなるまで手を振った。


 
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