第2章 両 想 い(♡)
じっと見つめてくるリエーフ。その目は少し、うるんで見えて。ぎゅううっと、力いっぱいに抱きしめられる。
「やっと叶った、
悠里センパイのこと捕まえました、
もう離しませんからね」
『ふふふ、離さないでね』
当たり前じゃないですか〜と、ゆさゆさしながら鼻をすする。話を聞けば、入部した時からずっと好きだったらしい。そうして、バレーボールを始めた理由も教えてくれた。
最初は、美人マネさんいるからとか思ってて、できないことも多いし、つまんなかったら辞めようと思ってました。でも段々できること増えて、ライバルもできて、レシーブも前よりはマシになってて。
「気付いたら、バレーボール大好きだった」
『うん、そっか
やっぱりわたしの目は間違ってなかった』
「え?」
『リエーフのこと、誘ってよかった』
ニッ、と笑うと、リエーフの手がにゅっと伸びてくる。後頭部に添えられた右手、腰に回された左手。何となく、次が分かった。
「センパイ」
『ん?』
「キス、したいです」
いつもよりちょっと低い声で、お願いという名の欲望を告げる。イェスの返事の代わりに、そっと目を閉じる。
瞬間、重なる温度。
リエーフの方が体温が高いのか、触れ合う唇があったかい。しばらくそうしていた後、離れていくリエーフ。終わりかと思って目を開ければ、もう一度重なっていた。
『ん、───っ』
今度はちゅ、ちゅとリップ音をたてながら。角度を変えて、鼻を触れ合わせながら、リエーフが唇を食むようにしてキスをする。
鼻息ふんふんしたらキモいかなと思って思わず息を止めれば、キスの合間に自分の甘ったるい吐息がこぼれるのを感じた。
『ふ、りえ───っん、ふ、ぅ』
「えっろ」
そう呟くと、先程までの柔らかいキスとは打って変わって、強引に舌をねじ込んできた。初めてのことにわけも分からず、口腔内を貪る舌に翻弄される。
段々荒くなっていく互いの息遣いと、甘い水音。がっしりとホールドして離さないリエーフの手の温度と、唇から広がるあまくて、やわくて、気持ちいい感触に支配されていく。