第2章 両 想 い(♡)
「なんか、アリサも友達のところ泊まるらしいです、
他の駅もめっちゃ混み出しちゃったらしくて」
まじかまじか。これ、もしかしなくても。
『もう、泊まるしか、無い?』
「ですね!!!」
不安げな私をよそに、一気にテンアゲなリエーフ。鼻歌を歌いながらスマホを操作し、ちょっと待っててくださいねと電話をかけつつキッチンの方へと向かったリエーフ。わたしはテレビを見つめ、ソファの上で体育座り。
もしもし、今彼女来てて...うんそう、電車止まってるらしくて...そうそう、うん、うん...分かってるよ、大丈夫......には......分かってるってば......
バラエティの賑やかな音に混じって、リエーフの声が聞こえてくる。きっとご両親かな。数分で電話を終えたリエーフは、ニコニコしながら隣に座ってきた。
「泊まってもいいですって!」
『そっか、正直助かる、
ありがとうございますって伝えて』
了解しましたと元気な返事のリエーフ。
もちろん、ありがたいことなのだけど。嫌でもさすがにお泊まり急すぎないか、だって何も準備してきてないんだけど、明日の朝すっぴんってことでしょ、まぁ高校生の時はエブリデイほぼすっぴんだったけどさ、ちゃんと好きって自覚した彼氏の前で、ええそうか、泊まりか、まじか。
もうちょっと経ってからの方がありがたいハプニングなんですけど。
『すみません、お言葉に甘えて泊まります...』
「全然気にしないでください!
服は用意するんで、俺の着てください、
彼Tしてるところ見たかったんスよね〜!」
悠里センパイちっちゃいからどうかなと、嬉しそうなリエーフ。俺の部屋で一緒に寝ましょうね、なんて言うから、それはまだダメと丁寧にお断りした。
リエーフのお姉さん、アリサさんが未使用のブラトップをお譲りくださるらしく、それは本当にありがたいですと受け取る。汗をかいていないとはいえ、さすがに下着は同じのを使いたくないしね。
早速沸かしてくれたお風呂に、ぐいぐいと押し込まれ、好きなの使ってくださいと可愛いバスボムの入ったカゴを渡される。
「シャツと短パン、ここに置いときますんで」
ごゆっくりどうぞと満面の笑みのリエーフはリビングへと戻っていった。