第2章 両 想 い(♡)
私も混ぜて〜っとソファの真ん中を陣取り、トイレに行っトイレ、と言いながら自らトイレに向かう福永からコントローラーを受け取る。わたしはよく使っているピンクの風船みたいに膨らむキャラを選択した。
孤爪がカチャカチャと設定をいじり、こっそりと黒尾だけが別チームになるようにしていた。ゲームスタートのカウントが鳴ると、自分だけ別チームにされたことにやっと黒尾が気付き、オイイと叫ぶ。
「なんだよ研磨これ、エェ、俺ぼっちじゃん!」
「みんなでクロ、叩き潰そう」
『ッシャア、やったるどぉ!』
チョットマッテヨオオォと言う断末魔と共に、黒尾は孤爪に爆速でステージから落とされ、あっという間にライフが減っていくた。わたしは邪魔にならないようにすみっこで、たまに黒尾にちょっかいをかけていた。
後ろでリエーフが悠里センパイ頑張れクロさん倒せとがやを入れ、夜久に至ってはそこだ落とせついでに身長も縮めと超個人的恨みまでこもっている。そうして、KOの文字が液晶にでかでかと映り、もちろん、黒尾は惨敗。
「俺、悠里センパイとサシでやりたいです!」
『お、いいよぉ臨むところ!』
対黒尾戦の時は全然本気は出してないからなぁ。リエーフなんてコテンパンにしてやるんだから。キャラセレクトで、リエーフは某エルフの勇者を選び、わたしは引き続きピンクの子。
ゲーム開始のカウントが始まり、リエーフは悠里センパイと名前を呼ぶ。
「この試合、俺が勝ったらキスしてください」
『うん、いいよっ
え、待って良くない良くない!は?今言う!?』
ちょっと待ってちょっと待ってと叫ぶもカウントは止まらない。そういうのは他所でやってくださーい、ここおれの家ですからと、すぐ近くの声のはずなのに、遠くで聞こえるようで。
負ける気は無い、でも、負けたらキスされちゃう。まさかここでするの。いやそんなこと、リエーフなら、しないはず、いや、しそう。どうしよどうしよ。
『うぅ、あ、ちょ、アイテムとれないんだけど!』
「ははは、悠里センパイ可愛い〜!」
『これ、うっざいぃ、んぎゃ!!』
デジャビュのような、KOの文字。
「俺の勝ち、っスね!」