第7章 夏 休 み 合 宿 後 半 戦(♡)
そうしていつも通りクタクタで──夜の自主練は今日で最後だから、いつもより気合いが入っていた──半分シカバネみたいになりながらヘロヘロと部屋へと向かう。
犬岡と芝山に引きずられながらお風呂へ入り、半分寝ながら頭と体を洗う。頭がボケていたせいか、いつもより長くお湯につかってしまったようで、そこで座って休んどけ、と黒尾さんに廊下のベンチに横にさせられる。
「うぅ、あっづい……」
フェイクレザーの生地が、火照った体にへばりつくようでその感触が鬱陶しい。目を閉じて横になっていれば、幾分かマシになってきて、そろそろ部屋に戻ろうかな、でも動くの面倒くさいな、なんて思って。
雨は随分前に止んだみたいだけど、置いていった湿度やら水気がじめじめとしている。こんな時は、悠里センパイの笑顔があれば、一発で生き返るのに。
「悠里センパーイ、俺疲れたよー」
『そんなんでへばってちゃ、
音駒のエースにはまだまだだなぁ』
「そんなぁ…って、え、悠里センパイ!?」
よっ、と片手を挙げるセンパイに、思わず抱き着く。どうして、なんで、だってそろそろ消灯なのに。あ、先輩のお腹、くるくる言ってる、可愛い。合宿で動いてるから、お腹も動いてるのかな。そんなことを思いながら、Tシャツの上からセンパイの感触を楽しむ。
『黒尾がさ、リエーフのぼせたって言うから』
自販機で買ったスポドリの冷たいやつ、そう言いながら俺のほっぺにピトッと冷えたボトルを当ててみせる。首の辺りが少しだけぞわりと粟立ち、それから気持ちよさを徐々に感じる。
「マジで女神ですありがとうございます」
ごくりと喉を通る、冷たいエネルギー。悠里センパイがくれたやつなら、その美味しさもひとしお。
『わたしも一口飲みたい』
「いいですよ」
ここ来てください、と従順な彼女を隣に座らせる。ごくりと俺がボトルをあおれば、なんでリエーフが飲むのとでも言いたげな表情で首を傾げる。
口にスポドリを含んだまま、俺は悠里を抱き寄せて口付ける。そして唇の間に強引に舌をねじ込み、空間を作ると、そこへ少しづつスポドリを流し込む。
ごく、ごくんと動く、その小さな喉の軟骨が可愛くて、そっと撫でる。