第7章 夏 休 み 合 宿 後 半 戦(♡)
そのままリエーフの腕の中で催眠体勢を探る柏木に、リエーフは必死に抵抗して何とか起こそうと試す。
『りえぇふ、ねる.........』
「ちょ、あぐらの中で落ち着かないで!」
まるで母親の腹の中の胎児のように丸くなり、全体重をリエーフにかけて再び寝ようとする。必死に起こそうとするが、手荒なことはできないからか、何となく躊躇いながら触れるリエーフ。
それをいい事にむにゃむにゃと何か言うと、柏木は再び寝息を立て始める。
「も───っ、寝ないで!」
「柏木さん、可愛い顔して寝るね」
「俺もちょっと思った、灰羽いいなー」
「はぐぅ、女神の寝顔...アーメン...!!」
「ダメダメ、みんな見ないで!」
四方八方から覗かれ、ワタワタと手を動かすリエーフ。居心地が悪いのか、柏木が不服そうな声を漏らす。
『うごかない、で......』
「悠里、ほんとに起きて?
みんなにこんな可愛いの見せたくない」
『ん、りえ、ふ?』
「はい、リエーフです」
ぱち、とコンタクトをしていないまんまるの黒い目が開き、それからリエーフを見上げる。んしょ、とリエーフと向き合うようにして足の間に座り直し、そのままリエーフに抱き着く。
「ちょ、え、悠里!?」
『おはよのぎゅー』
「う、待って悠里、そこで動かないで」
「あいつ勃ちそうになってんじゃね」
「クロさんやめて!」
『りえふ、ぎゅーやだ?』
「んんんんやじゃないけど今はやだ!」
もそもそと、柏木が動けば動くほどリエーフの顔が百面相みたいになっていく。なんとも複雑な気持ちだが、とりあえず面白いので笑っておく。他の連中も、柏木が可愛くて赤くなってるやつや、笑ってたり、本気で心配してたりと様々。
そうして、ふわっとしていたであろう柏木の意識が段々とクリアになっていくにつれて、その表情から困惑が読み取れるようになる。そしてついに、はっきりと事態を認識したらしい。
『あ、れ、り、りえーふ』
「悠里、起きた?」
『お、きた...
待ってみんなずっとここにいた?』
「「「いました」」」
『無理死にたい!!!!!!!』
自分の寝付き、寝起きの素行について知っている柏木は、赤面してうずくまった。