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【SPY×FAMILY】dear twilight ※全年齢

第5章 なんのために




アーニャの眼から、涙が。
零れ落ちた。



その質問は、と諫める声が上がるも、
ぐちぐちと難癖を続けている面接官。


ロイドは頭で任務のためには我慢だ、
中傷されたことを非難したとして、何になる。
内心では怒りがこみあげていたが、
必死で自身を納得させるべくことを考えていた。


そのとき。
横でユノの身体が動いたのが見え、視線を移した。


アーニャを抱きしめていた。
背を撫で、「大丈夫」と口にして。


伏せていた目が、上にあげられる。
冷たい目で。
難癖を繰り返す面接官を見つめている。


「何だ、その目は」

「子供の心を傷つけることが、なんのためになるというんですか」



瞳が揺らいでいる。
悲しそうな瞳で、
静かに、怒っている。



「前妻に負けたからって、かみつくなよ」



ガゴオンッ





ロイドは机に拳を叩きつけた。

蚊がいたといい、踵を返す。
「選ぶ学校を間違えた」
そう言って、三人は部屋をあとにした。





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