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【SPY×FAMILY】dear twilight ※全年齢

第5章 なんのために






ミッションのことばかり考えていたことを詫びる。

「すまない……僕がすぐ対処すべきだった」
「それは、当然でしょう。なんのために、ここにいるんですか」


ユノはアーニャの手を握り、言った。

「家族とは、助け合うもの。そうでしょう?」



アーニャはユノの手を握り返す。
温かく、穏やかな声が聞こえる。



ロイドのために、
アーニャのために。
自分が出来ることをするだけ。
例え辛いことが蘇ったとしても、
それが、役に立つならば。
こんなに嬉しいことはない。



「はは………あーにゃ、がんばる」
「アーニャさん、……うん、頑張ろうね」


ロイドはふたりを眩しそうな目で見つめる。
完敗だ、というように、肩を落とし、息を吐く。




まだまだ未熟な自分。
それを、教えられたような気がしていた。
意志も気力も感じられなかった当初とは、別人のように。
アーニャのために、危険を顧みず勇敢な行動を取る。

そんなユノに、
アーニャも絶対的な信頼を寄せているのがわかる。


「君がいてくれて……よかったよ」

「ロイド…………」


見つめ合っているふたりの横で、
アーニャが大きな目をきょろりと向けて言った。


「ちちとはは いちゃいちゃ」

「!?」



ロイドが「してない!」と慌てて弁解するも、
アーニャは知らん顔して、ユノの手を引いた。




褒められた。役に立てたのかな。
どうしよう、凄く嬉しい。




ユノの声が、聞こえる。
喜んでいる温かい感情が、
アーニャの緊張を解し、笑顔にする。




そのとき。気難しそうな、
片目にレンズをかけている初老の男性が声を掛けてきた。

フォージャー一家の果敢な行動を
監視していた寮長で、称賛を称えてくれた。
面接会場で会おうと告げ、その場を立ち去って行く。



「行こう、面接会場へ」




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