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【SPY×FAMILY】dear twilight ※全年齢

第4章 家族の休日







ロイドは幼いころから、スパイであった。
ミッション目的以外で女性と一緒に過ごすということは、
覚えている範囲でしたことがない。


少しの動揺を隠すように、ユノに声をかけた。


「なにか、したいことは?行きたいところはあるかい」

「………そう、ですね………」



ユノが考え込んでしまうと、
ロイドもどうしたらいいのかわからない。




ここは、ミッションのように
女性が喜ぶようなことをしておいたら
間違いないか。そう、ロイドは思う。




「ユノ、何もないなら――――――」


ユノは遠慮がちに、ロイドの服の裾をひいた。


「あの、私、やってみたいことが、」









二人で来たのは、広めの公園であった。
沢山の緑と、梅の花が咲いているのが見える。
ランニングしているひと、犬の散歩をしているひと。
子供連れ、カップル。
色んな人たちがいる。



公園?外でのんびりしたいのか?
まあ、いい天気ではあるし、
悪くはないが。そんな風に思っていると。




ユノが顔をきょろきょろと動かしている。
何かを探しているようだ。
目当てのものを見つけたのか、ぱあっと目を輝かせた。


「ロイド、私、あれが食べたいです」

「ん?」



公園内にある、キッチンカー。
どうやら、クレープのようだ。



「わかった、何にする?」



キッチンカーの前に立ち、メニューを見上げながら。
目をきらきらさせ、指を左右に彷徨わせ迷っている。


アーニャと大差ない様子に、
ロイドはくす、と笑う。



「決まった?」

「ええと、ええと、」



バナナとイチゴで悩んでいるらしい。
ロイドは両方を頼み、片方を選ばせた。



公園のベンチで、座って食べるふたり。

見ると、ユノは嬉しそうに
クレープをくるりと見回し、
じっくり外観を見たあと、ぱくりと食べた。


「美味しい」


舌をすこしぺろ、とのぞかせ、
顔を綻ばせながら、頬張っている。


ロイドは年齢にしては随分幼いと思いながらも、
少女のような可愛らしさに、ふ、と目を細め笑う。



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