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【SPY×FAMILY】dear twilight ※全年齢

第4章 家族の休日




突如、アーニャは皿に乗ったパンに手を伸ばし、
大口を開け、かぶりついた。 

それに気付いたロイドが、
手でちぎって食べるんだぞ、と言うも。


「すきにたべたほうが おいしい。ね、はは?」


パンかすを口元につけ、
笑顔でユノに声を掛けた。


一点を見つめていたユノの視線が、
アーニャに向けられる。

目に光が戻るように。
ユノは顔を緩ませた。


「うん。美味しく食べて、食事に感謝することの方が、ずっと。大事だよね」


にしし、と歯を見せ、笑うアーニャ。
同じような顔を作り、同意するユノ。


ロイドの頭に、ここに来た目的がよぎる。
だが、ふたりの様子を見て、肩を動かした。


「そうだな。食事は、楽しまなくては」



三人は、笑い合う。
朗らかに、食事を終え。店を出た。






そのあと。

三人は景色のいい高台で、街を眺めていた。

「ひとが ごみのようだ」

「どこで覚えた」


ロイドがいつも通り、
アーニャの言葉に突っ込みを入れる。
それを隣で、笑いながら。
ユノはロイドに言った。


「こうして外の風を感じることが、こんなに気持ちがいいものなのだと知ることが出来たのは、ロイドのおかげです」

「ユノ」

アーニャは手すりに腰掛け、にこにこと口添えする。

「はは は、ちちが だいすき」

「え?」


いきなりなんだ。

ロイドは少し顔を赤らめながら、
ユノを見る。


「そうだね、アーニャさんも」
「あーにゃとちちと、おんなじくらい すきなんだな」
「うん。ふたりには、感謝してるんだ」



そういう感じか。
ロイドはほんの少し動揺した自分を
落ち着けるように、言う。



「同じものを食べて、同じものを見る。それが………家族なのかもしれないな」


「そうですね」



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