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【SPY×FAMILY】dear twilight ※全年齢

第4章 家族の休日






「おでけけ おでけけ」

「おでかけ な」


アーニャとユノは、
自然に手を繋いで歩いている。


ユノを妻にしたことで、
一番労力を割くべきことが、
全く苦労なく完了した。

自分の選択が間違っていなかったと、ロイドは思う。


「ロイド、それで今日はどちらに」
「仕事のコネでいろんなチケットを手に入れていてね」




劇場。

オペラ鑑賞に来た三人であったが。


すぴー すぴー

「……………………」


アーニャはユノのひざに寝そべり、
寝息を立てていた。

ユノはアーニャの頭を撫で、
にこにこしている。

オペラなど、誰一人見てはいなかった。


(次だ 次)






美術館に来たはいいが、アーニャが
”すっぽんぽん”だの”くびちょんぱ”だの。
一流のアートに触れているにも関わらず、
場にそぐわない言葉を発しまくり。
ロイドはまた”無”の表情であった。


ユノに視線を向けると、
またしても、
絵よりもアーニャにばかり気を取られている。
どうやら、アーニャが何を言っても
可愛くて仕方ないようだ。
にこにこと、アーニャが発した言葉を復唱し続ける。


(次だな)



街中で、人込みに遭遇する。
政治家の演説に、人が集まっているようだ。


ロイドは入学するイーデン校が
愛国教育が盛んということを考慮し、
しばらく傍聴すべきかと、腕を組んだ。
横でアーニャが目を瞑り、歯を食いしばり始める。



荒く攻撃的なひとの心が
勢いよく流れ込んできて、
頭がギリギリと痛んでいるのだ。


アーニャの苦しそうな表情を見て、
ユノは心配で声を掛ける。


「アーニャさん、辛いの?」
「………あーにゃ、こういうとこ、にがて」


「ロイド、休みましょう。酷く辛そう」
「すまん、恐かったか」


ロイドがアーニャを抱え、その場を離れる。



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