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【SPY×FAMILY】dear twilight ※全年齢

第3章 ふあんのいろ






「はは、きょう はやおき」
「おはよう、アーニャさん」


フライパンでは、
目玉焼きを焼いている最中であった。
アーニャは洗面所から
踏み台を持ってきて、言う。


「あーにゃ、おてつだい!」
「うん、ありがとう」


ユノがトースターに
スライスしたパンを入れている最中に、
アーニャはフライ返しを手に持ち、
いざ、というところ。


「えいっ、」

べち、

「!」

フライパンの上で、
目玉焼きはひっくり返ってしまった。


あわあわしながら、フライ返しでつついていると。
黄身が破れて、ドロリと流れてしまう。


「あう、」


ユノが振り返ると、
アーニャは魚のように、口をぱくぱくしていた。


「あ、裏返っちゃったんだね」
「はは すまない。これをだしたら、ちちにへたくそとおもわれてしまう」


ユノは もしかして、
料理が出来ないことを
気にしていることを知って、
手伝おうとしてくれたのかと思う。


「じゃあ、これはこうして、………」
「おお、」


アーニャは目をきらきらさせて、
ユノの顔を見つめた。


「はは、きてんが きくようになった?」
「えへ、光栄です」





朝食が並ぶ時間。


皿には、
卵とハムを挟んだパンが
斜めにカットされ、置かれていた。


「へえ、今日は趣向を変えてみたのかい」
「アーニャさんの、アイデアです」
「へえ、やるなあ」
「えっへん!」


和やかに笑いあう
ロイドとユノを見て、
はっ、とするアーニャ。




しまった つい ほめられて 
はなを たかくしてしまった
ははのいいところ みせるつもりが



「ちち、のせてきったのは、はは!すごいのも、はは!!」


新聞を広げて真剣に読んでいたロイドは、
きょとんとした顔をアーニャに向けた。


「? 何言ってるんだ。当たり前だろう」

「え」


ロイドからすると、
包丁を使うのも、
少し重ねて見栄え良く置くのも、
ユノがやったのだとわかってきっている。



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