【SPY×FAMILY】dear twilight ※全年齢
第3章 ふあんのいろ
その日。
ロイドはミッションで使う
道具の点検をしていた。
机には細かい部品が多数散らばっており、
ピンセットでつまみ 再度組み立てるという、
細かい作業であった。
コンコン、
「ロイド、・・・あの、」
何か言いたそうなユノ。
口元に笑みを浮かべ応える。
「僕はまだ、起きてるから。おやすみ」
「おやすみ、なさい・・・」
パタン、
扉が 閉まる。
ロイドは手に持っていたピンセットを机に置き、
凝り固まった肩を動かした。
「…………いいって、言ったのに」
ユノはときどきこうして、
夜 部屋を訪ねてくる。
当然、奉仕するつもりなのだろうが。
ロイドはあまりいいことではないと思い、
奉仕はもう必要ない と言っていた。
なのに、不安なのか、
懲りずに時々こうやって扉を開け、
様子を窺うことを続けている。
正直、全然しても構わないのだ。
男なので、抱くことは簡単だ。
ユノの仕込まれた身体は感度がよく、
相手を気持ちよくさせる術も熟知している。
むしろ、じゃあ遠慮なく。といった
気持ちの方が大きいのが本音であった。
だが、今までのことを考えると、
躊躇する自分がいた。
「…………僕まで外道に成り下がる」
椅子に座ったまま大きく伸びをしたあと。
ロイドは眉間のシワをつまみ、また作業に戻った。
ユノは自室に戻り、
ベッドに力なく腰掛けた。
「要らなく………なったら、どうしよう」