第3章 その日
自分たちが立っているこの壁に穴が空けられた
その事実をシロイラとクロイラは信じられずにいた
シロイラ「……」
二人は他の住民同様、青ざめた顔で突っ立っていた
クロイラ「シ…シロイラ!」
シロイラ「クロ!ふ…震えてるだけじゃ…駄目だ!
兵士…としての…勤めを果たすんだ!」
そう言ったシロイラも震えていた
クロイラ「わ…分かった…」
クロイラは震える手でグリップを取り出し、トリガーを引いて立体機動に移った
シロイラ「わ…私も行かなくちゃ…」
シロイラは口では言えても行動に移せずにいた
震える両足を押さえつける
シロイラ「もう…駄目なんだ…」
巨人の声と住民の声を聞きながらシロイラは動けずにいた