第3章 未知との出会い、騒音との再会

天元さん…絶対にわかってて楽しんでる。


”余計な事言わないで下さいよ”と目で訴えるようにジッと天元さんを見るも、天元さんは更にニヤリと怪しい笑みを浮かべ


「確かにこいつ、体質的に筋肉は付きにくそうだからなぁ…煉獄のところで鍛えてもらうのも良いんじゃねえかぁ？」


と、明らかに、私が炎柱様のことを苦手だと気が付いているのにも関わらずそう言った。


酷い。意地悪。雛鶴さんまきをさん須磨さんに言いつけてやる。


子どもじみた悪口を心の中で吐きながら、目を見開き天元さんに更に視線で訴える。そんな私にニッコリと珍しく優し気な微笑みを向ける天元さんは、やはり根っからの意地悪だと思う。

そんな無言のやり取りを天元さんと交わしていると


「だがお館様の采配で宇随の元にいるのであれば、俺が余計なことをするべきではない！彼女…荒山…だったな！宇随も認める荒山のその素早さが、彼女にとって不要とする重い筋肉で邪魔となっては困る！」


思わぬ炎柱様からの援護射撃に、私が勝手に炎柱様に対して抱いしまっている警戒心のようなものがほんの少し緩んだ気がした。


「ま、そうだな。恐らく、柱の中でこいつの能力を活かせるのは俺か…もしくは胡蝶だ。ってことだ。煉獄の所にいけなくて残念だろうが…諦めな」


そう言いながら私に再度ニッコリと微笑みかける天元さんに


「…そうですね」


最上級の作り笑いをお見舞いして差し上げた。