• テキストサイズ

音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第17章 幸せな音が溢れる世界で


それからしばらく歩き続け


「……着いた」


私は、目的地である蝶屋敷の門の前までやって来た。

私が無事蝶屋敷に辿り着いた事を確認したムキムキねずみは、最後に

ムキムキムキムキっ

と、自信に満ち溢れた様子で私に筋肉を見せつけると、流石天元さんが鍛えたねずみと言うべきか、地面にピョンと飛び降り、あっという間にいなくなってしまった。

1人になった私は


「……ふぅ…」


改めて、蝶屋敷の門をじっと見る。


……この門をくぐった先に…しのぶさん……それから杏寿郎さんがいるんだ…


そう思うと、なんだか足がズンと重くなったような気がした。


「……行こう」


私は自分に言い聞かせるようにそう呟いた後、ゆっくりと蝶屋敷の出入り口目指し歩き始めた。













ドキドキと騒ぐ胸を落ち着かせながら扉に手を掛けたその時


「…え…?」


まだ少しも力を込めていないというのに、扉が自動的に開き始めた。

戸惑い固まっている間に、視界を覆い尽くしていた超屋敷の扉は無くなり


「…っ鈴音さん!!!」


水色の蝶飾りと、水色のリボンを腰につけたすみちゃんと目があった。


「驚かせちゃってごめんね?大丈夫?」


目を丸くしながら私を見ているすみちゃんにそう尋ねると


「はい!私は全然平気です!それよりも、鈴音さんが来てくれて良かったです!煉獄様が毎日毎日鈴音さんが来ていないかどうか、それはもう悲しそうに聞いてくるので…私たちはもう不憫で不憫でたまらなかったんです」


すみちゃんはそう言いながら、私の手をその小さな手でパッと取った。

その言葉に、なんと言って良いか分からず


「……ごめんね…中々…気持ちが落ち着かなくて…」


床に視線を向けながら、ボソリと答えた。


「いえいえそんな!謝らないでください!そんなつもりで言ったわけではありませんので!それよりも、煉獄様の病室にご案内しますので、付いて来てください!」


すみちゃんはそう言うと、踵を返し、私の手を引きながら玄関の中へと戻って行く。

/ 932ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp