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音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第16章 私が守るべきもの


和は、私たちの方に振り返ることなく


「…しのぶちゃん達の事は、撃破の報告以降、特になんの情報も回って来てないの」


懸命に羽根を動かしながらそう答えた。


……和…いつの間にしのぶさんを"しのぶちゃん"なんて呼ぶようになったんだ


内心そんな事を考えながら


「…そっか…何かわかったら教えてね」


と、声を掛けたその時

バサバサッ

激しい羽ばたき音と

ドサッ

地面に何かが落ちる音が聴こえて来た。

そして


「っ痛いのぉ!!!」


和の苦しげな声が聴こえ、私は、疲れて床にむけてしまっていた視線を慌てて上げた。


「っどうしたの!?」


視線を向けた先には


……え…和が……2人…じゃなくて……2羽…?


小さな頭にコブをこさえた鴉が2羽、床の上でもがいていた。



その直後。



いつのまにか全く違和感を感じなくなった、半裸の猪頭が現れ


「…む!?善治郎と猫女としょんべん漏らしじゃねぇか!!!」


両手に持った日輪刀を天井へと向け、仁王立ちをした。


「誰がしょんべん漏らしだ!相変わらずテメェは腹立つ野郎だな!」

すると善逸は


「伊之助ぇぇぇえ!会いたかったよぉぉぉ!」


先程までのよたよた具合が嘘のように元気になり、伊之助君の露わになっている腹部に勢いよく抱きついた。

そして私も


「……っ…!」


角を曲がった先にいる、愛おしい人目掛け、駆け出した。

脚をもつれさせながら角を曲がったその先には


「……杏寿郎さん!!!」

「っ鈴音!?!?」


会いたいと願っていた、杏寿郎さんの姿が。


……っ…会えた…!


腕を目一杯広げ、杏寿郎さんとの距離を縮めようとした私だが


ギュッ


私よりも速く、杏寿郎さんがそうしてくれていたようで


「…よく無事でいてくれた…!」

「…っ…!」


気がついた時には、杏寿郎さんの腕の中にいた。


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