第3章 未知との出会い、騒音との再会
手に取ったそれは、何かを収めておく為の収納のように見えた。その全貌をきちんと見る為、逆の手に持っていた天元さんに渡された袋を座卓に一旦置かせてもらう。
…小さな…鞄付きのベルト…?
両手で広げてじっと見た感想がそれだ。
「それをベルトの代わりに着けな。そうすりゃその中に、薬やら爆玉をいれて持ち歩ける」
「…なるほど」
皮で出来たそれは、確かにベルトとしても、そして収納としても十分な役割、そして強度を持っているようだ。
更には開け閉めが楽に出来る作りになっており、まだ使う前だがその使いやすさをありありと感じることができた。
「忍がもつ定番製品です」
そういって須磨さんは、私が持っている同じつくりの物をニコニコしながら両手で私の方に見せるように持ち
「私たちとお揃いです」
嬉しそうに言った。
3人と…お揃い。
嬉しいその響きに、私は早速隊服のベルトを外し、代わりにそれを装着してみた。
「…ぴったり」
「お前の体系に合わせて作らせたんだ。当たり前だろ」
「え!?」
私は慌ててそう呆れ気味に言った天元さんの方に顔を向け
「…どうして、私の腰回りのサイズが…わかるんですか?」
思わずそう尋ねてしまう。
「んなものわかるに決まってんだろ。俺は元忍だぜ」
「…そうですか」
ちっとも理由になってないし。
心の中でそう突っ込んでいると
「ほらほらぁ!次はこっちも付けてみてくださいよぉ」
須磨さんが、私が座卓に置いた袋を嬉しそうに持ちながらこっちにやってくる。袋の口を私の方に向け
「はい!左右同じものなので、取り合えず1つとって下さい」
そういう須磨さんの言葉に従い
「ありがとうございます」
お礼を述べながら一つを手に取った。
先ほどと同様に両手で持ち広げてみると
「…さっきの似ていますが…なんだかこれは随分と短いですね」
ベルトのようになっている部分は同じだが、収納部分はないし、腰につけているものの半分も長さがない。