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音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第16章 私が守るべきもの


"馬鹿にするな"


と、私が言うよりも早く


「いい加減に黙れよこのクズ野郎がぁぁぁあ!」


善逸が獪岳に向け怒鳴り


「テメェこそ黙れやぁぁあ!2度と生意気な口きけねぇように、ぶっ殺してやるよぉ!」


獪岳も、怒り狂った様子で怒鳴り返した。

そして


「雷の呼吸肆ノ型…遠雷!」


獪岳が、呼吸を使い善逸へと切り掛かっていく。

そんな様子を見ながら


……あんなの…じぃちゃんが教えてくれた型じゃない…善逸が…あんな奴に負けるわけない…じぃちゃん……じぃちゃんの教えてくれた型は…善逸がきっと守ってくれるから……だから……絶対に見ててね…!


手のひらに爪が食い込み、出血してしまうほど拳を握りしめた。

獪岳が型を使い善逸に斬り掛かった一方で、善逸は、型を使うことなく、それでも獪岳の速さを上回る速さで斬り掛かり


「おせーんだよクズ」


ドバッ


獪岳の頸をその刃が見事に捉えた。けれどもその斬撃は浅いもので、頸を切り落とす迄には至らない。

けれども


「…っ…何…!?」


獪岳にとっては、善逸の刀を避けきれず、傷を負わされたこと自体が信じられない様で、殆ど黒目の瞳を見開き、善逸を悔しげに見ていた。


…っ…速い…もしかしたら…天元さんよりも…!


私も、善逸がここまでの速さで動けるとは思っておらず、不覚にも獪岳と同じように驚いてしまった。

獪岳はしばらく惚けたように善逸の姿を見ていたが、片手で持っていた日輪刀を両手で持ち直し


「…死んで当然なんだよォォ!じじぃもテメェらもォォ!」


牙を剥き出し、文字通り鬼の形相で善逸の事を睨みつけた。そして


「雷の呼吸弐ノ型…稲魂!」


再び、雷の呼吸の型を放つ。

悔しいかな、獪岳の放つ弐ノ型は見事な完成度で、それでも常人が放てる型の威力からは明らかに逸脱しており


…っ…これ以上あんな奴に…雷の呼吸を…じぃちゃんの型を…汚されたくない…!


私の中の怒りの感情を、更に大きくした。

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