第3章 未知との出会い、騒音との再会
そんなことを思っていると、
「あんたも、たまにはいいこと言うじゃない!」
珍しくまきをさんと須磨さんの意見が合致したようで、
「ですよね!まきをさんもそう思いますよね!」
とお互いの顔を見合わせて頷いている。そんな2人に向かい、
「まきをったら…あなたまでそんな事を言ったら、余計に収拾がつかなくなっちゃうでしょう」
雛鶴さんがその整った眉を下げ、困り果てた表情でそう言うも
「いいんです!収拾なんてつかせませんよ!私は絶対に、このままじゃ嫌なんです!だって…私、鈴音ちゃんのことが大好きなんです!鈴音ちゃんが、人を愛する喜びも、愛される喜びも知らずに…鬼との戦いで命を落としてしまうことがあるかもって考えると…耐えられません!絶対に嫌なんです!」
須磨さんは、そう言って、私の方に近づいてくると、ぎゅっと強く私の身体に抱きつく。
「…須磨さん…」
嬉しくて、ギュッと胸が締め付けられるようだった。
須磨さんが私にしてくれているように、私もその背中に軽く手を回し
「…どうして、そんなにも私のことを考えてくれるんですか?」
頭に浮かんできたその疑問を、そのまま言葉にした。
「理由なんてありません!ただ私が、鈴音ちゃんのことが大好きなだけです!」
「…っ私も…須磨さんが大好きですー!」
そう言ってお互いを強く抱きしめ合う私と須磨さんを、雛鶴さんはニコニコと優しい笑みを浮かべ、まきをさんはほんのりと苦笑いを含んではいたが、優しい瞳で見ていた。