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音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第13章 幸せすぎる無理難題と悲しすぎる別れの口火


「あの里がそんな事態になってるとは…俺らとしちゃあ好都合だな」

「好都合とは不謹慎だ!…と言いたいところではあるが、少なからず俺たちにとって好機であることは確かだ」

「そうだね」


お館様の話では、なんと天元さんの故郷の忍の里は、半年ほど前から度々鬼の襲撃を受けているらしい。しかもその狙いはくノ一、つまりは女ばかりときた。

忍の里だ。一時的に撃退する術を持っていたとしても、"鬼は日輪刀で頸を刎ねなければ倒せない"と言うことを知らなければ、その戦いに終わりが来ることはない。


「あの場所は随分と閉鎖された場所みたいだからね。鬼にとっては恰好の餌場になってしまっているんだ」

「里にとって女がいなくなるって言うのは死活問題のはずだ。俺らが鬼を狩る。その交換条件に、秘薬の調合方を教えてもらうってわけですね」

「そうだよ」

「確かに!鬼を狩る代わりにとあらば断られることもそうあるまい!」


そんな会話を聞きながら


…いい風が来てるって…ことなのかな…?


私は淡い期待を胸に抱いていた。

忍びの里がどんな場所だったのか、雛鶴さんまきをさん須磨さんから何度か聞いたことがある。聞いたその話は、やはり普通の家(あんまり普通とは言えないような気もするが)に生まれた私にとって、信じられないような風習や習慣がたくさんあった。

天元さんは里の長の家系であり、間違いなく里を継ぐ候補の1人だったはず。そんな立場でありながら里を抜け、違う世界で生きる事を選んだ人間の話など聞いてくれない可能性の方が圧倒的に高い。

だからこそ交渉材料として"里に危険を及ぼしている鬼を狩る"と言う方法を使えることは、交渉を成立させる要素としては非常に強い。


…不謹慎だけど…やっぱり今回ばかりは…良かったって思っちゃうな…


「私たち鬼殺隊は鬼を狩るのが仕事。本来であれば、条件付きで鬼を狩るなんてことはするべきじゃない。でも、今回だけは特別だよ。……天元」


お館様は、穏やかな表情のまま、それでも僅かに声色を変え天元さんの名を呼んだ。

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