第3章 未知との出会い、騒音との再会
…爆発…する…?
「っやだー!こんな恐ろしいもの、なんの説明もなく手渡さないでくださいよぉ!私こんなところでまだ死ねません!まだまだ責務を果たせていません!」
そう言って半泣きで短い腕を限界まで伸ばし、何とか身体から爆玉を遠ざけようとする私に、
「冗談だよ冗談」
天元さんは心底呆れたと言わんばかりの顔でこちらを見ている。
「…嘘…?…っもう!酷いじゃないですか!」
そう言いながら天元さんを睨みつける私に
「お前さ、普段は落ち着いた振りしてるくせに、素がでると割とポンコツな」
天元さんのその言葉に、私はスっと落ち着きを取り戻す(正確には取り戻したように見せかける)。
「ポンコツとは失礼ですね。これでもしっかりしていると言われて生きてきた身です。直ちに訂正を求めます」
思わずそう言ってしまう。
「ほらそれだよそれ。お堅い感じより、ポンコツ気味な方が男には好かれるぜ」
「好かれたいと思っておりませんのでご心配なく」
私のその発言に、天元さんはバッと私の方に顔を向け
「は?お前本気でそれ言ってんの?」
まるで珍獣でも目にしたかのような目で私を見てくる。
「本気に決まっているじゃありませんか。もう!そんなことよりも!この爆玉の説明をお願いします!これを、どうすればいいんですか?」
「…っとそうだな。まきを!」
「はい!天元様!」
そう言いながらまきをさんは、柄のない、けれども少し色味の違うきんちゃく袋を4袋、どこからともなく取り出した。
「説明してやってくれ」
「はい!任せてください!」
頼られて嬉しいのか、頬をほのかに赤らめ、張り切った様子のまきをさんに
天元さんのこと…凄く好きなんだな
そう感じた。
「よし。じゃあ始めるよ!あんたが今持ってるのは爆玉。さっき天元様が言った通り小型の爆弾みたいなもんだね」
「…この大きさで爆弾なんて……恐ろしい。威力はどのくらいあるんですか?」
「まぁそれは、訓練用の一番威力の弱いやつだからね…指が吹き飛ぶ位かねぇ…」
顎に手を当て、難しい顔で放たれたまきをさんのその言葉に
指が吹き飛ぶ……?怖っ!!!
私は再び、自分の身体から可能な限り爆玉を遠ざけた。