第12章 束の間の安息と初めましてと二度目まして※
杏寿郎さんは息を整え終えたのか、ムクリと起き上がると布団のそばに準備していたと思われる(なんと準備がいいのでしょう)懐紙を手に取ると、私の下腹部に広がっている杏寿郎さんの子種を優しく丁寧に拭き取ってくれた。
その表情はやはりどこか不満そうにも、そして不安そうにも見えた。
「……杏寿郎さん」
僅かに掠れてしまった声でその名を呼ぶと、杏寿郎さんは
「どうした?」
と言いながら私に視線を寄越してくれた。
私は、杏寿郎さんの腰あたりに腕を回し、脇腹あたりに頬を寄せると
「…今は任務もあるし…だめだけど…そのうち…心だけじゃなくて……身体の中も…杏寿郎さんで満たしてくださいね」
ギュッと縋り付くように抱きついた。そんな私の行動に
「…っ鈴音!」
杏寿郎さんは、杏寿郎さんの身体に回していた私の腕を瞬く間に取り払い、私の身体を布団に縫い付け
「っんむぅ!?」
冷めたはずの熱を取り戻してしまいそうになる口付けを落としてきた。
ちゅっ…ちゅ…ちぅ…
何度も何度も食むような口付けを落とされ
…え…待って待って…杏寿郎さんの…また大きくなってない…?…これは…もう一度ってこと…?……っ無理!無理だからぁぁぁあ!!!
もう一度行為が始まってしまうのではないかと私は慌てふためき、足をバタバタと動かす。
杏寿郎さんは、私の唇を堪能するように何度も何度も杏寿郎さんのそれを重ねた後
ちゅっ
と慌ただしく離れていった。そして
「その言葉を一刻も早く現実のものとするため、より一層精進しよう!」
私に向け満面の笑みを向けてきた。
「……はい…」
そんな表情と言葉に
…よかった…もう一度ってことはなさそうだ…
私はほっと安心した。
のだが。
「…っ…ちょっと!…だめ…もう無理ですよ!?出来ないですよ!?」
杏寿郎さんはゴロンと私の身体をうつ伏せにし、私の膝をサッと流れるような動作で立たせると
くちゅ…くちゅ…
と、まだ濡れたままの私のソコを、杏寿郎さんのソレの先端で撫で始めた。