第12章 束の間の安息と初めましてと二度目まして※
情けない抗議の声を上げた私に
「…仕方がないだろう…君は果てたが…俺は…まだだ…だから…もう少し…頑張ってくれ…」
杏寿郎さんは切羽詰まった声で言った。
「…あ…っ…や…頑張れ…なぁ…いぃ…ん…」
「…そんな意地悪を…言うもんじゃ…ない!」
「やぁぁぁあ!…だめっ…だめだめ…!」
「…っ…く……出そうだ…」
杏寿郎さんの切なげな声と共に、さらに激しさを増した快感に耐えながら
「…っ…お願…外に…あぁ!…外に…出してぇ…!」
黙っていたら、私の中にその熱い欲を放ってしまいそうな杏寿郎さんに、そうお願いをした。
そんな私の言葉に
「……だめか…?」
杏寿郎さんは腰の動きを止めないまま私の目をジッと覗き込んできた。その甘えるような言い方に、危うく
"ダメじゃない"
と言ってしまいそうになったが
「…っ…だめ…あっ…だめ…で…すぅ…!」
いつだったか雛鶴さんまきをさん須磨さんから教わった
"子を宿しやすい時期"
からいくと、今日はそれに該当しそうな時期である。
杏寿郎さんはやはり少し不満気ではあったものの
「…仕方が…ない…!」
「…ひっ…やぁぁぁあ!…きょ…さ…んやぁぁぁあ!」
「……っ…出すぞ…!」
そう言って最後の仕上げとばかりに激しく私を揺さぶり
「…んっ…ひ…やぁぁぁぁぁぁあ!」
私を今日4度目の絶頂に導きながら
「……っ…く!」
杏寿郎さんを逃さないと言わんばかりに収縮する私の中から自身を早急に抜き去り
……っ……あったかい…
私の下腹部に子種を放った。
「…はぁ…はぁ…はぁ…」
杏寿郎さんは息を整えるように呼吸を繰り返しながら仰向けになっている私の横にゴロリと転がった。
「………」
対する私はと言えば、呼吸をするのすら怠さを感じ、目を瞑り、快感の余韻に不本意ながらも浸っていた。