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音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第12章 束の間の安息と初めましてと二度目まして※


けれども


「あら?ですが鈴音さんは煉獄さんのことは"杏寿郎さん"、宇髄さんのことは"天元さん"とお呼びしていたような気がするのですが、私の気のせいでしょうか?」


胡蝶様は顎に人差し指を当て、わざとらしく驚いた表情を見せながらそんなことを言って来る。


「…っそれは…天元さんは私の師範だし…杏寿郎さんは…こ…恋人…だし…あの2人は特別で…その2人と比べられても…」


胡蝶様は私のその言葉に


「あらあら〜」


と、わざとらしく反応し


「煉獄さんと宇髄さんは特別で、私はどうでもいいと…そう言うことですね?」

「っえ!?そ…そう言う意味じゃなくて…!」

「それじゃあどう言う意味なのでしょう?私とは柱と一隊士としてしか関係を築けないと…そう言う事でしょうか?」

「っち、違いますよぉ!」


大袈裟に見えるほど悲しげな表情を浮かべた。


…何!?何でこんなことになってるの!?胡蝶様は…私に一体何を求めてるの…!?


なぜこのような状況になっているのわからず目を白黒させていると


「…っふふふ…」


つい先程まで悲しげな表情を浮かべていた胡蝶様が、右手で口元を隠すようにしながらクスクスと笑い始めた。

胡蝶様のそんな様子に、私はポカンとしてしまう。


「煉獄さんや宇髄さんの言うとおり、鈴音さんは思いの外、押しに弱い性分のようですね」

「…押しに弱い…?ど…どっちがそんなことを言ったんです?」


まさか胡蝶様に"押しに弱い"と思われていたとは夢にも思っておらず、恥ずかしいやら情けないやらで声がやけに小さくなってしまう。


「お2人ともそうおっしゃっていました。正確に言えば、煉獄さんが鈴音さんのことをそう言っていたのに対し、宇髄さんが同意していた形になりますね」

「…っ!」


自分の知らないところで、あの2人がそんな話をしていたとは驚きだった。


…あの2人…一体どんな会話を…!


どちらにしろ、ろくな会話じゃない事は確かで、私の頬に徐々に熱が集まって来る。

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