第10章 奏でて、戦いの音を
「ねぇちょ…モガッ!!!」
「うるせぇ。ちょっと黙っとけ」
「もぉぉぉぉぉ!早く聞きたいですぅぅぅぅぅ!」
「須磨ぁ!あんたもこんな時くらいちょっとは静かにしなっ!」
「あなたもね、まきを」
「あいつら、いつ番になったんだ?」
「伊之助、頼むから俺に聞かないでくれ」
「ムームー!」
派手派手うるさいけど尊敬できる師範。
姉や友達のように慕っている3人。
心の痛みを分かち合える弟弟子。
頼れる仲間。
それから
こんな私を好きだと言ってくれる恋人。
この人たちがいればどんなことでも乗り越えられる。
この人たちともっとずっと一緒にいたい。
大好きな温もりに包まれて、大好きな人たちの声を聞きながら、私はそんなことを考えていたのだった。
”絶対に失いたくない”
そう思えるものを
初めて手に入れた
そしてそれを
自分の手で守ることが出来た
大丈夫
私は強くなれた
強くなった
だからお願い
どうかこのまま
あなたの隣にいることを
許して下さい
✳︎第十章-完-✳︎