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音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第10章 奏でて、戦いの音を


「煉獄は俺に負けず劣らず強え!こいつら4人は優秀な俺の"継子"だ!逃げねぇ根性がある!テメェらの倒し方もすでにこの俺様が看破した。お前らの頸、俺たち6人の力で派手に同時に切り落としてやるよ!」


天元さんはそう言ってニヒルな笑みを浮かべている。


…成る程。上弦の陸は2人で1人…頸を同時に切らないと倒せないのか。…厄介な特性だけど、きっと…うぅん…絶対に、この6人なら出来る…!


自分に言い聞かせるようにそんなことを思っていると


「ちょっと待てくれ」


杏寿郎さんが珍しく静かな声色でそう言った。あまりにも真剣なその声色に、斜め上にある杏寿郎さんの顔を見上げる。てっきり杏寿郎さんの視線は鬼の方に向けられていると思っていたのだが、その視線は鬼の兄妹ではなく、明らかに天元さんへと向けられている。


…杏寿郎さん…どうかしたのかな?


不思議に思い、首を僅かに傾けながらその言葉続きを待っていると


「鈴音は元より宇髄の継子だ…仕方ないとしよう。だが竈門少年、我妻少年、嘴平少年は違う!俺の継子だ!」


杏寿郎さんは至極真面目な表情でそう言った。それを聞いた私と天元さんは


「「……」」


同じような表情を貼り付けながら杏寿郎さんの顔をじっと見てしまう。


"それ今言う必要ある?"


きっと、表情だけでなく、考えていることも一緒だったに違いない。


「はぁぁあ?そんなもんどっちだっかまいやしねぇんだよ。全員俺たち兄妹がぶち殺すんだからなあ。柱もなあ。俺が15で妹が7…食ってるからなあ」

「…っ15に…7…」


杏寿郎さんのせいで一瞬気が抜けてしまいかけたが、鎌の鬼の口から発せられたその恐ろしい数に、一気に緊張が戻ってくる。


「そうよ夜が明けるまで生きていた奴はいないわ!長い夜はいつもアタシたちを味方するから」


帯の鬼は勝ち誇ったようにそう言った後


「どいつもこいつも死になさいよ!!」


天元さんの腕にぎゅるりと帯を巻きつけ攻撃の体制に入った。

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