第9章 燃やして欲しい、私の全て※
けれども
「…っ…え…なんで…?…また…」
炎柱様はバサリと掛け布団を放ると、再び私の身体を揺さぶり出した。
「…ん…え…っ…や…おか…し…っ…」
炎柱様が私の中に出したソレで滑りが良くなったせいか、私の身体は先程とは違い段々と気持ちよさを感じていく。
そのせいか掛け布団が放られ、自分の身体がよく見えるようになっているにも関わらず気にならなくなってしまっていた。
「…薬を盛ったのは…君だろう…?…悪いが…俺が満足するで…責任を…とってもらう…鈴音」
「…っんぅ…!」
ここで名前を呼ぶなんて…狡いよ
「…は…っ…ん…ふ…」
「…っ名前を…呼んで欲しい…」
切なげなその声に、私の胸は大きく高鳴る。
「…っ…煉獄…さん…っん…!」
「…っ違う…!」
呼んだらダメ
戻れなくなってしまう
そう思ったのに
「…杏寿郎…さん…!」
「…鈴音…っ!」
私の名を呼ぶその心地のいい声に、応えずにはいられなかった。
「…鈴音…好きだ…君のことが…好きだ…!」
「…杏寿郎さん…!」
あれだ懸命に堪えてきたはずなのに、その甘やかで艶のある声に名を呼ばれ、私の胸はあっという間に杏寿郎さんへの好きで溢れてしまった。
結局その後、炎柱様は私の中に2回その欲を吐き出した。
私はと言えば、初めての情交にも関わらず3回もことを致され、痛みと疲れでぐったりと起き上がれなくなってしまっていた。一方で炎柱様は、穏やかな顔で、私の身体を強く抱きしめながらその瞳を閉じている。
…いつまでもここで寝転がっているわけにもいかない
手で胸元を隠しながら起き上がろうとしたものの
「…炎柱様。腕を、離してください」
「断る。それに炎柱様じゃない。杏寿郎だ」
炎柱様の屈強な腕に更に強く抱きしめられ、そうすることは叶わなかった。
「でも…あまりゆっくりしてると…お店に迷惑ですから」
多めに代金を払ってるとは言え、あまり居座るのは気が進まない。そして何よりも恥ずかしい。