第9章 燃やして欲しい、私の全て※
「…だめだっ…一度…出す…っ…」
炎柱様はそう言うと、私の腰をその両手でしっかりと掴み、強く揺さぶり始めた。
「…ん…は…っ…ふ…」
まだ"きもちいい"とは言えないものの、身体を突かれる衝撃で、自然と口から声が漏れ出てしまう。
私を揺さぶる炎柱様の動きが更に激しくなり
「…っ…クッ…!」
その後ピタリとその動きを止め
「……っ…待って…中は…中はだめ…っ…!」
微かに身体を震わせながら私の中にその欲を放った。その後炎柱様は私の身体に僅かに体重をかけるようにしながら顔の左側面を布団に乗せ
ふぅぅぅぅ
と、深く息を吐く。横目で見た炎柱様の顔は、心なしか満足げに見え、耳に当たる炎柱様の息を擽ったいと思いながらも、そんな炎柱の姿を可愛らしいと思った。けれども
「…っ中はダメって…言ったじゃないですか!」
中に出さないで欲しいと言ったにも関わらず、絶対に聞こえていたにも関わらず、炎柱様がそうしてしまった事に納得いかず、私に体重が乗ったままの身体を引き剥がそうと試みた。けれども、私よりも随分と大きな炎柱様の身体はビクともしない。
炎柱様の身体をなんとか退かそうとジタバタしたいると
「…何故だめなんだ?」
炎柱様はムクリと起き上がり、私の鼻にその形の良い鼻をくっつけ、さも不思議そうな表情でそう尋ねてきた。
「…っだって!…ややが出来たら大変でしょう…!?」
私のその言葉に炎柱様はニコリと微笑むと
「ならば問題ない。むしろその方が好都合だ」
と言った。
「……はい?」
…この人…今なんて言った?
炎柱様の口から紡がれた言葉に、私の脳は全く処理能力が理解が追いつかないようで、笑みを浮かべ私を見ている炎柱様を見返すことしか出来なかった。
そんな私の私の汗ばんだ額を、炎柱様の大きな右手のひらが、優しく撫でる。
…あ…これ…すごく好きかも……じゃなくて!
「君を抱くと決めた時、必ず娶ると決めている。だからややが出来ても問題ない」
その言葉に、横になっているにも関わらず目眩がした気がした。
「…っどうしてまた…そうやって突拍子のない事を…!」
いつもの話の伝わらない炎柱様が出現し、私は激しい苛立ちを覚えた。